白熊日記

7歳と5歳を育てる母親が、日々考えたことを書いています。

最近読んだ本

仕事が落ち着いたので、久しぶりに本を読んだ。

独身の頃、土日は開店と同時に本屋に行って文庫本を数冊買い、そのまま喫茶店とか公園で夕方までずっと、長ければ8時間ぐらい本を読んでいた。今は土日にそんなことできないし、平日もなんだかんだと仕事や家事があってできないけれど、たまに仕事が片付くと、1日だけ家事を投げ出して朝から本屋に行き、喫茶店で読む。3時間くらいの自由だけど、あの頃を思い出すことも本を読むことも私にとってはとても楽しい。

 

以下、読んだ本。

 

1.『一汁一菜でよいという提案』土井善晴新潮文庫

うちの長男は少し敏感なところがあって偏食をしがちで、しかも物言いにまだ気をつけられないので、毎日毎日出された食事に平気でけっこうな文句を言う時期があった。確か2歳ぐらいから始まって、最近も頻度は減ってきているものの、まだ時折文句は出る。

それで私も長らく精神的に参っていたのだが、この本ではいろいろな箇所で「家庭料理は作る過程そのものが愛である」「子どもは出された料理に文句を言うこともあるだろう(そういう生き物だから)けれども、親が自分のために料理をしてくれていた光景、その時の包丁や煮炊きの音、匂いは、自分が大事にされたという感覚として必ず子どもの中に残る」みたいなことが書いてあり、とても救われた。

子育て中、特に偏食のある子を育てている人におすすめ。

 

2.『笑いのカイブツ』ツチヤタカユキ/文春文庫

私のガソリン、オードリーのオールナイトニッポンで以前活躍していた元ハガキ職人、ツチヤタカユキさんの自伝。完璧な青春小説だった。わかる、と言ったら簡単にわかるとか言うなボケとツチヤさんを怒らせそうだが、わかるなあ、一生懸命やってても、結局は恥ずかしいぐらいのおべっか使うやつとか、人脈だけで何とかしようとするやつの方が先にうまくいっちゃうんだよね、わかる、20代の頃同じこと思ってた、と心の中で何度も頷きながら読んだ。

1月には映画も公開されるので、観に行きたい。

 

3.『発達障害に生まれて』松永正訓/中公文庫

自閉症の息子さんとの22年間を振り返るお母様へのインタビューを、小児外科医である著者がまとめたノンフィクション。同じく子どもを育てる者のひとりとして、読んでいるあいだじゅう胸が痛かった。それ以外のことは言えない、簡単にこんなところに内容をまとめてはいけない本だった。いろんな人におすすめしたい一冊。

 

毎年、今年は何冊読めるか絶対に数えるぞと勢い込んで新年から読書記録をつけるんだけど、いつも2月ぐらいで書くのを忘れて12月になる。自分で言うのもなんだけど、毎年毎年なにをしているんだ。もう今年は読書記録なんてつけない。100か0かの極端思考上等である。

 

来年も家族みんなが健康で、こうやってたまの休みに好きな本を読めたらそれ以上の幸せはないな。